以前から読んで頂いている方からすれば、疑問を持ってしまうようなタイトルです。
それはなぜかと言うと、今までは『動き出せない人』に向けての言葉だったからです。
誰でも、いきなり難しそうなことを提示されると、嫌になってしまいますよね。
だから『やりたいことから始めましょう』と説明していたのです。
これについて『騙された』と感じてしまうのであれば仕方ありませんが、少なくともいきなりやらされるよりは、遥かに次の一歩が踏み出しやすくなっているはずです。
出来ないのであれば、スタート地点を変えてみる。
今回は、そんな考え方のお話です。
仕事に就けない理由は恐れ
人は怖さを体験すると、次回に影響します。
例えば学生に『社会に出ると、ものすごく厳しい』と先生達はおどかしますよね。あれは気持ちを引き締めるつもりなのかも知れませんが、精神面が弱い人は、傷付くことを恐れてしまいます。
また『ゆとり世代』という言葉がありますが、これを設定したのは大人達であり、当人はそれに従ったまでです。これを一括りにし、馬鹿にするような真似をしているから『引きこもり問題』が解決しないのです。
そして大人達も、尊敬を失ったのです。
私の体験談ですが、幼稚園の頃(4歳)に水泳教室に通うことになりました。家から通える位置に2つのプール施設があり体験として行ってみたのですが、泳いだことが無いのに、いきなり飛び込みを強要されたのです。あおられ飛び込みましたが、小さな子供には足の付かないプールだった為、溺れて結果、救助となりました。あの時の記憶は、しばらく恨みさえ感じてしまうほどの体験となってしまいました。
今思えば、スクール側の手違いだったのかも知れません。
それでもう一つの施設へ行くと、プールの中には小さい子供用にスノコが敷いてあり、まずは水に慣れることから始め、続いて手を握ってのバタ足など、段階を踏んだスクールとなっていました。そのおかげで、私は水泳が嫌いになることもなく、小学校を卒業するまで通うことが出来たのです。
こんな経験から、私は始められない理由を考える時、ゼロ地点ではなくマイナス地点まで下がるようにしています。初めてのことは、誰もが怖いはずですからね。
根性とかそんな話ではなく、足元すら見えない恐怖を理解することだと思っています。
とりあえず『やりたいこと』からやってみる
さて、せっかくやるのであれば、好きなことを選ぶ方が良いでしょう。
更に自分で探し自分で決めることで、責任感や覚悟も生まれるはずです。
勿論、続けて行くうちに壁が現れることは確かですが、それは『この先、必要になる』という理由があるのです。ですから、予行練習だと思って取り組むべきなのです。これが手掛かり足掛かりとなり、気が付くと少し前の自分とは、比べものにならないくらい成長しているはずです。
このように順調に進み、基盤を作れれば良いのですが、なかなかそうも行かないのが人生でしょう。
余談ですが、私のところに寄せらる相談で多いのが、働きたいけど働けないというものです。
働けないのには、それなりの理由があるはずですから、カウンセリングから理由を絞って行き、提示をするのですが、それでも無理なことも多いです。
霊の声を聞いてみると、全く本人にその気が無いのです。
しかし『働かなきゃ』と焦ることで、自分が安定すると勘違いしているのですね。
そうなると行き着く先は『黒魔術』方向となってしまいます。
こういう結末を迎えることは、私の力の無さだとも思っていますが、完全に人に頼る人生を歩んで来てしまった代償は、あまりにも大きいのです。結果的に私に怒りを向けられてしまうこともありますが、それはそれで学びだと思っています。
『やりたくないこと』もやってみる
前提として『やりたくないことをやるのは、当然だ』と言っているのではありません。
やりたいことだけをやって、上手く行かなかった時の手段としての方法論です。
荷車を動かす時の力関係を、勉強では『最大摩擦力』と習ったのを覚えているでしょうか?
これは静止状態から動かす時に一番力を必要とし、既に動いたものを動かし続けることには、それほどの労力は、必要が無いという意味です。
これを仕事に置き換えてみると、仕事を始める時には大きなストレスが掛かり、不安や体力的なことを克服しなくてはなりません。だからこそ、やりたいことや好きなことを勧めているのです。始めてしまえば、簡単に止められなくなるという思考も出て来ます。
しかしそれでも、上手く行かずに止まってしまいそうになることがあります。
そんな時こそ『やりたくないこと』へ挑戦すべきタイミングなのです。
プロ意識とは覚悟である
趣味とプロは、明らかに違います。
それに覚悟が出来れば、背後霊も上手に助けてくれるようになります。
覚悟とは『この道を自分の足で歩む』ということであり、それに足りない技術や意識を磨くことが人生の学びとなる訳です。ですから今回の話は、やりたくないこともやり始め、やがて覚悟が持てるようになるまでの間の話だと思って下さい。
ただ『やりたくないこと』とは『やったことがない』ことだと私は思っています。
だから、新しく始めるセオリーとして、引いたところから始めれば良いのです。
その後に来る学び
よく職場で『この仕事をやって下さい』と部下に指示を出したとします。
それで帰って来る返事が『私には無理です』ということも最近ではあるでしょう。
そんな時『だったら辞めろ』と言い放つのではなく、部下の心境を一度推理してみることがあなたの成長に繋がります。ただただカンシャクを起こすダメな上司は、あなたも嫌と言うほど見て来たはずです。
・自分は部下に、無理難題を押し付けていないだろうか?
・どうすれば円滑に動いてくれるだろうか?
形は違っても、自分に同じような時期があったかも知れないですから、怒るのは最後で良いのです。
そしてそれが、プロとしてのあなたの指導方法であり本当は『やりたくないこと』なのかも知れません。
・部下をただ叱るのではなく、指導する為の方法を自分が今学んでいる。
・見せ物にするのではなく『ちょっとおいで』と呼び、こっそり教える。
・指導する立場にあり、分かるまで教え伝える義務がある。
側から見ると、そんなあなたの姿勢は、必ず魅力として輝いているはずです。
そしてまもなく、次のステージへ進めるはずです。
ちなみに、全力を尽くしても反応が得られない部下は近々勝手に居なくなるはずですから、安心して下さい。これは一定の『振り子の幅の範囲』の話であり、あなたを下げる要素は一切ありません。