運勢の見解として『運の良い人』や『幸せな人』という表現が使われることがあります。特に疑問を抱くことはありませんが、ストレートに捉えてしまうと運勢割合の不公平さに聞こえるかも知れません。生まれ持った運勢とは、いったいどんなものなのでしょうか。
今回は、あなたが日常で見ている現実が、本当なのかを考えてみたいと思います。
五感と色眼鏡
私達は『視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚』の五感を活用し、生活しています。
一見それが全てだと考えがちですが、実は表面を見たに過ぎません。
しかし、五感とは自分の感性ですから、結果的に正しいものなのです。
ただ、正しく五感を使えているかに注目してみると、いくつか疑問が残るのです。
例えば部屋で、色眼鏡を掛けたとしたら、いつもとは違う見え方をしますよね。
しかし、常に掛け続けていると、やがては慣れるはずです。
さて、この現象を『情報』に置き換えてみましょう。
例えば、あなたには『Aさん』という友達がいるとします。
風の噂で『Aさんが連続殺人の犯人だ』という話を聞いてしまいました。
ただ、それを証明出来るものは何一つありません。
さて、あなたは今まで通りの感情で付き合えるでしょうか?
きっと、何かしらの疑いを抱きながら接するはずです。
更に、二人きりでのドライブに誘われたら、恐怖すら感じてしまうでしょう。
これが、感情の上に『情報というフィルター』が掛かった状態です。
その色眼鏡越しに現実を見る訳ですから、何かが違ってしまうのは当然と言えるでしょう。
噂と不安
さてこの後、真犯人が捕まり、Aさんの潔白が証明されました。しかし疑われていたAさんの落ち込みは激しく、あなた自身も噂を信じてしまった嫌悪感に包まれます。
もはや、元の関係に戻れないほどになってしまうのです。シンプルに考えてみると、0がマイナス方向に振れ、また0に戻っただけなのですが、感情とはそう簡単なものではありません。
ちょっと極端な例でしたが、実は知らず知らずのうちに、日常でも同じような体験をしているのです。特に現代でのネットニュースはネガティブさに溢れ、それについての議論で炎上が起きたりしています。もはや何が真実なのか、もしくは話が脱線し過ぎて、発端が何だったのかすら分からないものもあるでしょう。
このように人は、確信の無い情報にすら惑わされてしまうのです。
しかし、その原因は単純に『不安』なのです。
思い込みという罪
ここまでは人の噂でしたが、実は自分が発信源となる思い込みの方が数段厄介です。
なぜなら人の噂とは、ただの情報なので、信じる信じないは個人の自由だからです。
しかし、自分の思い込みは、自身の中にあるものなので、なかなか否定が出来ません。
例えば受験のテスト会場へ行くと、周囲がものすごく出来そうに見えるものです。
また、新入社員の同僚が皆、優秀に見えることもあります。
しかし、これに対しての根拠はどこにもありません。結局、見た目から得た印象に過ぎないのですが、不安や恐れを持っていると、なぜか悪い方へ捉えてしまいます。それが思い込みとなり、やがてはあたかも現実に起きた体験として記憶されてしまうのです。
そしてまた、同じような体験をすると、嘘の記憶は一気に溢れ出し、体を硬直させてしまうほどになってしまうのです。これこそが色眼鏡越しの景色であり、本当の現実が見えない状態なのです。
これは誰にでも有り得ることですが、問題なのはその強弱です。
例えば『ゴキブリが出た』と大騒ぎをする人がいますが、あれはよろしくありません。
なぜならば、周囲に恐怖を撒き散らすからです。
言い方を変えると、ただただ『迷惑な人』です。
熊が出たら、それぐらいのリアクションの方が効果的だと思いますが、人はゴキブリに殺されることは絶対にありません。ならばそこまで騒がず、誰かに駆除をお願いすればいいはずです。
『誰もいなかったら?』と言われてしまいそうですが、そういう人は誰かがいてもいなくても大騒ぎするので大丈夫です。本当に重大事件なのかどうか、冷静に考えてみても良いかも知れません。
宇宙の法則
ここまでで人は過去の経験と記憶から、何かしらの先入観や思い込みを持っていることが分かりました。
そして直視してみると、実際よりも数段大げさな印象を持ってしまう習性があると言えるでしょう。
ちなみに『大げさ』とは楽しさや面白さに繋がるので、全否定ではありません。
分かった上で、上手にコントロール出来れば良いのです。
さて、冒頭で触れた『人の生まれ持った運勢』について考えてみましょう。
様々な意見があるとは思いますが、実は運勢とは皆同じです。
その裏付けとして、宇宙の法則である『表と裏・陰と陽・プラスとマイナス』があります。
これらは全てバランスであり、運勢もまた同じなのです。
良し悪しとは『思考の向き』であり、捉え方によっていくらでも方向転換は可能です。
ですから『運勢の良い人』を訳すと『何事も前向きに捉えられる人』となるのです。
それとは逆に『運勢の悪い人』とは、良かったことすら悪いことに変えてしまう『もったいない思考』なのです。
人が生きて行く上で、年齢と共に経験が増えて、体は老化して行きます。この真実に気付けた時、目上を尊敬し、敬うことが出来るのです。これこそが霊(たましい)の成長であり、人間の美しい共存の姿なのですが、中には一生分からずに終える者もいます。
その歯止めとなってしまうのが、恐れや不安が生む『自己嫌悪感』です。
一生を台無しにする前に、これを消滅させなくてはなりません。
それには『情報に惑わされず、自分を信じること』で、現実を正しく見ることが出来るようになります。
勿論それには、人の意見を聞き入れ吟味し判断する力が必要となります。
その経験こそが、これからをポジティブに生きる活力となるのです。
ですから、あなたの色眼鏡も、そろそろ外す時なのかも知れませんね。