病気・医学

不登校の子を持つ親御様へ

十勝連峰

最近『不登校』についての相談を受けることが多くなりました。
学校へ行かれない理由は様々ですが、今も昔も『社会の悩み』として位置付けられています。
その改善を行政の責任として働き掛けていますが、そう簡単に無くなるものではありません。

悪質な『いじめ』は明らかに犯罪なので法を適用すべきですが、心が原因の場合は、なかなか解決が難しいのです。今回は一見出口の見えない『不登校』について考えてみたいと思います。

ほとんどの原因は親

デリケートな内容ですので、本題に入る前に記載させて下さい。
このブログは問題解決を目的としているので、言われたくない部分を指摘することがあります。
人によっては、不愉快に感る場合があるかも知れません。
『一つの意見』として読んで頂けたらと思います。

以前受けた相談は、中学生の不登校でした。
母親から話を聞いたのですが、実はその時点で原因が直ぐに分かりました。

家庭は父親も祖父も医者という環境で、中学から私立に通わせたそうです。
本人は地元の友達と離れるのが嫌だったようですが、将来のことを考え親の意見を通した部分があったようで、結果的に『秋頃から不登校が始まってしまった』ということでした。

不登校に対し、とても苦しむ人もいれば、全く関係なく過ごす人もいます。
ですから直面してみないと、その深刻さには気付けないのかも知れません。
親は普通に通学してもらいたいと思っている反面、本人は嫌で嫌で仕方ない状態なのです。

昔から勉強が出来ると褒められ、出来ないと怒られるという定説があります。
これについてはこの先も変わりませんが、そろそろ誤りに気付くべきなのです。

なぜならば親のつまらない押し付けで、我が子の心を壊してしまったからです。
更に、それに気付かず『普通に通学しなさい』と言い続けており『まさか自分の子供がこんなことになるなんて』と嘆いているのです。母親は愛情を注いでいるつもりでも、見方を変えれば苦しんでいる我が子を更に追い込んでいるだけなのです。

 身分の差を決めている

古い話をすれば『カースト』という身分階級制度がありました。
現代においても人は知らず知らずのうちに人と比べ、自分の位置を確認する習性があります。

学歴は腕力を超えた能力であり、誰もが欲しがる名誉なのかも知れません。
しかし、それだけで人を判断することは『愚か』です。

ただ難しいのは『そんなことは当たり前で、分かっている』という感覚です。
全てとは言いませんが、不登校の子を持つ親はかなりの確率で自分の言動に気付けていません。
表面的には理解を示しているようでも、我が子のこととなると目くじらを立ててしまうものです。

潜在意識を覗くと、ズバリ『大学へ行かない人は人間ではない』と感じている部分があり、この念が顕在意識へと現れ、子に不安を与えることで親の役目を果たしているという錯覚に陥っています。

また『起こさなければ起きない』とか『叱らなければ勉強しない』という部分については、その後どうなるのかを経験させてあげる必要があります。
それについてどう思うかは、親ではなく本人が感じることなのです。

まずは、子に人格があることを理解しなければ、何も変わることはありません。

 親が子へやってあげられること

現在が不登校の状態だとして、起きてしまったことは仕方がないのですが、やはり原因を解決する為には過去を振り返らなくてはなりません。

ところで、親が子を育てる過程で『やってあげられること』とは何でしょうか?

細かく言うと切りがないので大まかになりますが、第一は生命維持の手助けです。
これは『衣食住』であり、全ての教育が詰まっています。

食べ物の好き嫌いは、アレルギーなどは別として『命を頂く感謝』を伝えることになります。
これを怠ってしまうと好きなものしか食べなくなり、やがては食に留まらず、全ての繋がりの仕組みに気付けなくなってしまいます。

『それとこれとは違う』という意見が上がるかも知れませんが、根本はとてもシンプルなのです。

もう一つ大切なのは『信じる』ことです。これを『心配』へと転化させている方が多いのですが、心配とは『信じていない』という表れであり、悪に匹敵します。

結論から言えば、衣食住を教え信じてあげれば、それだけで良いのです。
しかし、親自身が宇宙の仕組みを理解していなければ、伝えることは出来ません。
すると試練が訪れ、向き合うことで『学び』が得られるのです。

この『学び』を押し付けるのではなく『語り継ぐ』ことで、やがて子に試練が訪れた時の解決の糸口となり、更なる気付きに繋がるのです。

レールから外れた人生

天は『幸せの材料』を山ほどくれています。
ですから、幸せとは難しい問題でも行き着くゴールでもありません。

大地はとても広いのに、敷いたレールの上を歩くように言われ、そこから落ちたら大変なことになってしまうような恐怖を植え付けられているのです。

しかし落ちた場所には広い大地があり、どこへでも自分で歩いて行けるのです。
だから『もっともっと、この世界は広くて自由なんだよ』と言いたいのです。

そもそも『就職先が無い』と『人手不足』が共存している世の中って、おかしいですよね。

『将来困らないように』や『子供には苦労させたくない』という考えこそが、我が子を苦しめているのではないかと考える必要があるのです。

経験とは学びであり、それこそが勉強です。
学歴はあるけれど、人間として幼い人に会ったことってありますよね。
あれこそが『親の望むレールから外れないように生きて来た結果』だとしたらどうでしょうか。

人生を長い目で見る

ところで不登校とは、何が問題なのでしょうか。
学校へ行かなくても、勉強は出来ますよね。
もしかして、やはり世間体が気になるでしょうか。

人生を長い目で見れば、勉強は困った時に始めればいいことがほとんどです。
目的も分からずにやるよりも必要なことに絞った方が、より身になります。

実は一番困るのが、コミュニュケーションを取らないということです。
人は多くの人々と出会い話をすることで、感情を育てて行きます。
ですから、ここだけは絶やしてはならないのです。

不登校になれば、何となく悪いことをしている感覚になる為、人との接触を拒むようになります。
そしてこれが長引くと、社会への不安は大きくなってしまうばかりです。

人生自体を長い時間として感じ取り、比べることの無意味さを知ることです。
第一歩は、安心を与え『子の意見に耳を傾けること』から始めるべきです。

また、親にも理由が分からない不登校があるかも知れません。
この場合は長く放置するのではなく、それでいて強引に聞き出すようなこともせず、朝声を掛け一緒に食事するなどの通常の生活と『衣食住』だけは続けて下さい。

急がず焦らず、時を待つのです。

自分を知ることで子を知る

ここまで書いたことは『根本の考え方』に触れるので、短時間では叶わないかも知れません。
そこで人の助言に頼ることになりますが、ついつい信用出来る友人に相談してしまいがちです。

しかしプライバシーな部分も多く含まれ、つい自分を正当化しようとする作用が働いてしまう為、出来れば相談相手は、全く関係の無い第三者を選んだ方が良いのです。

例えば『占い師』という表現をすると、かなりの怪しさが含まれるかも知れませんが、普段から人を見ているだけあって鋭い感性を持っていることは確かです。そして将来の運勢などではなく、自分自信の潜在意識を鑑定してもらうことをお勧めします。

それを踏まえた上で子との関係を見つめ直すと、必ず見えて来るものがあります。

人は生まれる強さがあり、決して弱くはありません。
問題とされていることには、必ず原因があります。

『平等』や『価値観』など言葉が一人歩きして、分かっているようで実は分かっていない、もしくは間違った捉え方をしていることが多くあるのだと思います。

当たり前を改めて、考え直してみる努力。
直ぐに解決することはありませんが、必ず未来は今よりも良くなるはずです。

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