人生は選択の連続であり、常に何かしらの思考の中にいることが多いと思います。
更に現代社会は、時間に余裕がありませんから、交感神経が活発になりやすいのです。
交感神経とは『戦い』をイメージしてもらうと分かりますが、呼吸が浅く、視界が狭く、筋肉は硬直します。よって能力を上手く発揮出来ず、散々な結果になってしまうことがあるかも知れません。
今回は心の仕組みを学び、緊張による自滅への対処法を考えて行きます。
分泌のバランス
物事の導入段階で、適度な緊張は必要です。
しかし、あまりにも強いプレッシャーが掛かると、交感神経の興奮からアドレナリンが必要以上に分泌されてしまいます。その状態で『落ち着け、リラックスしろ』と上司が部下に一喝するシーンを目にすることがありますが、あれは完全に逆効果です。
なぜなら『焦って困っている人を、更に攻撃している状態』だからです。勿論、そんなつもりは無いはずですが、結果的にそうなってしまっているのです。関係性は別としても、場のスムーズな進行が目的であれば『フォロー役に徹する』ことが最善でしょう。
考え方は『不安を取り除く』のではなく『安心を与える』ことです。
言い方を変えると『交感神経の高まりを抑える』のではなく『副交感神経を高めバランスを取ってあげる』方が断然簡単なのです。
呼吸を意識する
当たり前過ぎてバカバカしいと思うかも知れませんが、神経バランスを保つには『深呼吸』が一番です。空気はどこにでもありますし、いくら吸っても無料ですが、呼吸は精神安定にとても有効な動作です。
でも『緊張するシーンで、深呼吸する余裕は無いよ』と思うかも知れませんよね。
しかし、トレーニングとして習慣には出来るはずなのです。
ちょっとスピリチュアル色が強いかも知れませんが、瞑想はとても効果的です。
椅子でもあぐらでも、寝てしまっても良いので、静かな環境で目を閉じて下さい。
初めは雑念が出てきますが、無理に退けようとせず、長く深い呼吸に集中するのです。
ただただ、吸って吐いての繰り返し。
やがては全身が緩み、ニュートラル状態になるでしょう。
この『緩んだ状態』こそ、副交感神経が働きアセチルコリンが作用している状態なのです。
大切なのは、この状態を一日の中のどこかで作り出す習慣を維持して行くことです。
すると緊張するシーンに直面した時、分泌が極端にならず、神経はバランスを保とうとしてくれるのです。勿論『慣れ』もありますが、回を重ねるごとに安定が増して行くはずです。
逆に深呼吸をしながら緊張を高めたり、怒ることは出来ません。
これは話すテンポも同様で、ゆっくり話せば自分も相手も落ち着くのです。
闇雲に練習するより『何も考えない時間』を持った方が、結果は出やすいのです。
呼吸の同調テクニック
ここまでは、どこにでもあるような話に聞こえたかも知れません。
しかし呼吸で、相手をコントロールすることが出来るとしたらどうでしょう。
ちょっとだけ、魅力的な話に聞こえませんか?
例えば、とても狭い部屋にAさんとBさんの2人で入るとします。
そして、Aさんが閉所恐怖症でパニックを起こしたとしましょう。
すると、Bさんも何かしら心の乱れを感じてしまうはずです。
これは2人でワンセットとなった状態から、互いにバランスを取ろうとした心の作用です。今後の展開を握るのは『Bさんの呼吸』であり、早くすれば不安を、ゆっくりにすれば安心を与えられるのです。
これを応用したのが『相手の呼吸に合わせる』という方法です。
例えば、好きな異性と二人で話をする際、相手の呼吸を意識してみて下さい。
すると不思議なことに、会話のテンポが合ってきます。
これは安心感と一体感から相手に信用を与えることになり、やがて呼吸は落ち着いて来ます。
ここからはテクニックになるのですが、意識して少しだけこちらの呼吸を早めます。
そう、不安や焦りを与えるのです。
相手のテンポが少し早くなったことを確認したら、ゆっくりなタイミングでトドメを刺して下さい。
内容は人それぞれですが、動を静にすることが大切です。
これは、初め相手に合わせ、徐々にテンポを奪い、最終的には自分のペースに持って行くという技術です。ついつい、相手のペースにハマってしまうという方は、必ずこの手に引っ掛かっている訳です。
是非、呼吸を意識し心のバランスを保つようにしてみて下さい。
必ず、人生のお役に立つと思いますよ。