気持ちが沈み込んでしまう経験は、誰にでもあるはずです。そんな時は周囲の方が、いくら励ましの言葉を掛けてくれたとしても、素直に受け止めることは出来ません。これは殻のようなオーラに包まれ、外部をシャットアウトしてしまう状態であり、自分でも、どうすることも出来ないものです。
今回は、その仕組みと改善方法を考えてみたいと思います。
落ち込みを軽減する
全身を取り巻く、落ち込みのバリアは、やがて剥がれ落ちて行きます。
これが『時間の解決』であり、生き抜く為の本能です。
ですから、イキナリの回復はあり得ません。
ただ、仕組みを理解していれば、未然に防いだり、深い落ち込みを軽減することは可能です。
陥り方の特徴は2つ。
そしてどちらも、元々は同じものです。
突発型・・・怒られる・失敗する
慢性型・・・負の思い込み・自分への決め付け
突発型
そもそも気持ちの落ち込みとは、過去に刻まれた辛い経験情報と関連付けられ、急浮上する現象です。
突発型の場合、実は冷静に分析してみると、原因と結果がマッチしていないことに気付きます。
この部分を『おかしい』という観点で直視出来れば、現実に起きたことだけと向き合えるはずです。
・不当に怒られたと感じた場合、理由は適正か、相手の標的にされていなかったかを考える。
・自分に非があった場合、わざわざ悪役を引き受けて指摘してくれたと解釈してみる。
・失敗した場合、経験の無い初めてのシーンに出会ったかを考え、今後の対策を練る。
ここまで冷静に思考を持って行ければ、過去の辛い経験と今回の出来事が、無理やりに関連付けられてしまっていることに気付けるはずです。
慢性型
慢性型の場合、そもそもの考え方を、変える必要があります。
しかし、そのサイクルは既に定着しているので、なかなか動かすことは難しいでしょう。
ここで感じて欲しいのは『いかに自分で自分を縛り、制限を掛けているか』です。
・出来ることを『自分は出来ない』と念じてしまい、結果、出来ない。
・売れるはずの商品を『売れない』という思い込みから、売ろうとしない。
要は、普通に行えばクリア出来るのに、わざわざ『やれない理由』を乗せることにより、叶わなくしている状態なのです。フタをして実力を押さえ付けているので、この重荷を手放す作業が必要となります。
命取られるわけじゃない
本来の特効薬は、実際に取り組んで『やったら出来た』という体験を得ることなのですが、現状では難しいはずです。これを自己完結する方法は、やはり『言霊』でしょう。
これは先輩からもらった言葉なのですが、先方やお客様に謝罪へ行く前に『命取られるわけじゃない』と唱えてから向かうのです。まさに現代の日本で、心豊かに暮らして行く知恵だと感じました。
戦乱の世では『失敗=死』で、全ての終わりを意味していました。
しかし現代では、命の危機にさらされることは、まずありません。
だからこそ『大したことでは無い』のです。
このことから『ストレス社会』とは間違いであり『ストレスレス社会』なのです。
平たく言えば、ストレスが無いから、ちょっとしたことで落ち込んでしまうのです。
常に命の危険を感じているとすれば、精神はもっと強くなるはずです。
『恐れ』の原因とは、DNAに刻まれた過去情報の仕業であることを、まず知るべきなのです。