病気・医学

うつ病と引きこもりを安定的に改善させる考え方

階段

鬱病は、本当に辛いですよね。
しかし、これだけ社会現象となっていながら、周囲はなかなか認めてくれません。
理由は単純で『経験が無いから理解出来ない』のと『関わりたくないから』でしょう。

また、世間体に囚われ、自分で自分を追い込んでしまう危険性もあります。
今回は、そんな症状で苦しんでいる方へ向けた、改善への道のりを考えます。

鬱は悪くない

表現や基準は様々ですが、鬱病は治りません。
この辺りは、言葉のアヤの影響を受けるので、不愉快に感じる方はお控え下さい。

『単なる病気』として捉え『薬で完治する』という認識や『一過性の風邪』程度と考えている方も多くいるようです。しかし、鬱とは体の反応であり『命のブレーキ』なのです。

例えば、お酒を飲み過ぎれば、嘔吐するか肝臓に負担が掛かり具合が悪くなりますよね。
これは一定量以上を拒絶し、命を守ろうとする体のブレーキサインなのです。

鬱も同じで、精神に負担を掛け過ぎた結果が、症状として出ています。ですから、結果を薬で抑えたり、切り離して捨ててしまおうという考え自体が根本から外れているのです。

症状を受け入れ理解し、原因を正すことで必ず改善へ向かいます。世間の『たるんでいる』とか『やる気を出せ』という煽り方は、逆効果であることを知らなければなりません。

鬱を理解する

引きこもり状態の方を無理やり連れ出し、ムチを打つように社会復帰させる光景を目にすることがあります。専門家の指導を受けているか分かりませんが、的外れとしか言いようがありません。

また、鬱症状のある方が『私を理解し受け入れて』と『他人が治してくれるもの』だと思っていることも問題です。精神科医やカウンセラーは、導きと指導を行うだけであり、治すことは出来ないのです。

さて、改善へ向けた重要事項とは『安定状態で話や思考をする』ことです。

人はいくら不安定な状態であっても、それが継続することは無く、必ず安定は訪れるもので、この時に『どれだけ鬱と向き合えるか』なのです。これは鬱の仕組みを理解し、段階的に改善へと向かう為の道のりを確保する準備と捉えて下さい。

改善に向けた第一歩

精神を安定させる為に必要なのは、覚悟と順番です。

例えば、仕事が原因の方に多いのは『それでも辞めるわけにはいかない』という頑なさです。
これを極端に言い換えると『肝臓はボロボロだけど、酒を止める訳にはいかない』と表現出来ます。

勿論、生活やお金のこともあるので一緒には出来ませんが、実際は休職して生きて行けなくなるほどの環境に追い込まれる方は、ほとんどいません。冷静な目で見ると、体調が改善してから働けば良いのですが『社会から取り残される不安』から、踏み出せないことがほとんどです。

我慢が症状をますます悪化させ、自ら命を絶つことを選ぶ人も、少なくはありません。
ですからまずは命を優先し、辞めて休む覚悟を持つことが重要なのです。

ただ、この『命の話』は安定時でなければ聞き入れられないことを、まずは自身が知って下さい。

人生の休息と不安

仕事や学校の生活を止め、いよいよ改善へ向けた生活がスタートします。
とは言っても静養中ですから、今しか味わえないゆったりとした時間を感じて下さい。

しかし次にやってくるのは『何もしていないという焦りから来る不安』です。
現状をドン底と捉えているので、どうすることも出来ないのです。

ただ、これを『鬱症状の修正』と認識していれば、抜け出すことは可能です。
いずれにしても、一つ一つの感情の移り変わりを、体験して記憶すべき時期なのです。

自分で自分を見つめ直す

長く引きこもっていると、体力の衰えを感じるのではないでしょうか。
しかし気持ちは張り詰めている為『暇だ』とは感じにくいと思います。

またインターネットを通じ、精神論やスピリチュアルな分野を模索することもあるでしょう。
そう、心は納得出来る答えを探しているのです。

なぜならば、この先も生きて行くからです。

ここで振り返って欲しいのは、時間管理されなくなった自分の状態です。
社会生活では当たり前の行動が、全く出来なくなっていることに気付きます。

そう『やらされないと、やらない自分』がそこにいるのです。
これもまた、体験しなくては分からなかった事実なので、経験として刻んで下さい。

ここまでを受け入れられるようになったら、忙しくしていた社会生活を振り返ってみましょう。
勝手に作り上げた得体の知れないルールに、縛られていたのではないでしょうか。
もしかしたら、その発端に自分が含まれていたかも知れません。

正直に、紐解いてみて下さい。
今は見栄を張ることも、誰かに合わせる必要も無いのです。

そして、ここまでしなければ気付かなかった事実と意味があるはずなのです。

リハビリはゆっくり

そもそも鬱とは、根本の考え方が原因であり、自分以外の誰かが変えることは出来ません。
それを周囲が強引に動かしたり、本人の理解が無い状態で焦るがまま進めてしまうと、いずれまた壊れてしまいます。そして次は、更に深いキズを負うことになるのです。

さて、ここまで心理的な部分に注目して来ましたが、次は体と合わせた行動に移ります。
なぜなら、思考は体の状態に大きく影響してしまうからです。

逆に体は引きこもった状態に逃げるべく、わざと体調を崩す術も使います。
これを回避するには『ゆっくり具体的にやること』です。

例えばスポーツで、いきなりハードなトレーニングを行えば、ケガをする確率は高くなりますよね。
それと同じで、いきなり社会復帰を目指すと、ケガをするのです。

ですから『昨日より今日、今日より明日』と回復して行くしかありません。
病とは『症状が出るまでに掛かった時間と同じ時間を掛けて治すもの』です。

それを短縮しようとするから、また繰り返すのでしょう。
もしこの時点で、誰かと比べてしまうのであれば、まだ思考がまとまっていないと言えるでしょう。

勿論、回復に向かえば、リハビリを行いながらの社会復帰は可能です。
もしかしたら、今まで付いていたポジションには戻れないかも知れません。
それでも週に1度や、1日3時間でも働けるとすれば、そこから必ず未来は繋がります。

いきなり高い所を目指すのではなく、踏み出せたことへの喜びを噛み締めながら、一段ずつ登ってみて下さい。今では当たり前だったことも、実は意味も分からずにこなしていたことに気付くでしょう。

運動することで半分以上は回復する

一歩でも踏み出す勇気が出て来たら、運動を心掛けて欲しいのです。
しかしこれは、続かない人が多いはずです。

ただここで言う運動とは、コンビニまで歩く、町内を一周する程度のことで、要は外に出ることです。

実際『家から出るのが怖い』という方が、勇気を持ってのぞんだ結果『思っていたよりも簡単で、太陽の光を浴びたら元気が湧いて来た』と話していました。これは行動の辛さよりも、動き出す不安の方が大きかった証拠で『自分にも出来ることがある』という気付きとなったようです。

その先に目指したい運動は、ウォーキングやマラソンや水泳などです。
ジムに行ったり、自宅でエアロバイクに乗っても良いですね。

『運動は苦手』と言う方もいるとは思いますが、スポーツではなく体を動かす程度です。
『結局、運動かぁ』と思うかも知れませんが、人間は霊と肉体と思考で出来ているので、バランスを取らなくてはならないのです。

もし『そんなことより働かなくちゃ』と思う方、その思考が焦り過ぎです。
体を鍛える(維持する)ことは準備であり、必ず今後の為になります。

今は人生をゆっくり丁寧に見直す、チャンスです。
思考を確かめ、意味を学び、体力を持って時を待つ。

そんな覚悟と準備が整った時、引き寄せられるかのように次のステージが用意されます。
次はあなたが、笑顔になる番です。

-病気・医学
-, , , , ,

© 2024 MiyabiyNoCafe