『ちゃんと自分のこと、分かってる?』と他人に指摘されると、機嫌を損ねてしまうものです。
しかし、よくよく考えてみると、明確な答えが出なかったりしませんか?
本当の自分って、何なのでしょうか。
今回は、本当の自分を知る為に必要な『人間の性質』について書いていきます。
自分が思っている自分
自分が思っている自分とは、本当の自分なのでしょうか?
いわゆる潜在的な部分を無視してしまうと『自分の限界』を設けてしまうものです。
例えば新しいことをやる際、一度や二度、上手く行かなかったからといって『向いていない』と思ってしまうことはないでしょうか。何事も続けていれば、必ず上手になるものですからね。
このような短期間での判断は、可能性を潰してしまいます。
『ならば、我慢して続けるの?』と疑問が浮かんでくると思いますが、そうではありません。
直感で『好きかどうか』は分かるはずです。
どうしても向かないことは『嫌で嫌で仕方ない』という感情が現れるので、直ぐに分かります。
ただし『恐れや不安』から来るイメージが混ざると、分かり辛くなってしまうかも知れません。
霊は生まれ変わる度に、経験を刻みます。
ですから、肉体は変わっても、感覚はどこかに残っているのです。
今、自分が思っている自分とは、表面的な感覚だけで判断している場合が多いと言えます。
ここでは『自分の中に可能性が眠っていること』を知ってもらえればと思います。
湧き上がって来る不安の感情
今までにも何度か書きましたが、人間にはどうすることも出来ない『性質』があります。
一つは『湧き上がって来る不安の感情』です。
これを解説すると、心は株式のパロメーターのように、上がったり下がったりを繰り返しています。
残念ながら、この性質を根本から止めることは出来ません。
ただ、これに対し完全に従って生きている人は『気分屋』とされ、周囲にも迷惑を掛けています。
人間は集団生活をしますから、任せっ切りでは困るんですよね。
気分が沈んだら、上げる努力をしなくてはなりません。
誰かの機嫌を取る必要はありませんが、人の機嫌を損ねない努力は必要です。
やり方は『無理にでも笑顔を作ること』や『幸せを言葉に出すこと』です。
『何だ、そんなことか』と思うかも知れませんが、意識してやってみると結構大変です。
疑問を感じるかも知れませんが、実はこれが効果絶大なのです。
自分の方が不利だと思い込む
二つ目は、ちょっと表現が難しいのですが聞いて下さい。
日常生活で、本来は公平であるべきことが、何らかの理由でズレたと想像して下さい。
例えば、あなたが野球のピッチャーだとします。
『ど真ん中のストライク』を投げ、判定が『ストライク』と『ボール』の両方を想像して下さい。
・『ストライク』であれば、そのままプレーを続けるでしょう。
・『ボール』であれば、抗議などのアピールをするかも知れません。
次に反対のパターンを想像して下さい。
完全な『ボール』を投げたとします。
・『ボール』であれば納得して、そのままプレーを続けるでしょう。
・『ストライク』の場合はどうでしょうか? わざわざ抗議をするでしょうか?
ここでは明からさまな表現をしていますが、これが微妙なラインだったらどうでしょうか?
テレビなどでプロスポーツを観ていても、まず自分の不利になるような抗議はしないはずです。
この感覚こそが、元々人間に備わっている『性質』なのです。
どこかで『我こそ正義』という本能が働いているです。
サッカーで言えば『紳士のスポーツ』という表現を使う反面『アウェー』などと当たり前に言いますし、ボールを動かす競技でありながら、突き飛ばしたり引っ張ったりする行動が『仕方ない』とされているのも、性質から来るものなのでしょう。
これらを踏まえて置き換えると、会社などで言えば、全く同じ作業をしたとしても『なぜ、自分が評価されないのか?』と思ってしまったり『損している』という感覚を受けることがあります。
しかしこの状況を『第三者の目線』で見ると、実は公平なのです。これらを総称すると『人は平等であっても、不満や不利を感じてしまう性質がある』と言えます。
これについては、誰もに備わっている性質なので、極端に悪いものではありません。
言い方を変えれば『欲』の一つなのです。
ですから、この事実を『知る』ことで世の中の見え方が、ガラリと変わります。
『今、自分は不満を感じているけれど、きっとこの状態が普通であり平等なんだろうな』とワンクッション入れるだけで、多くの怒りが消えるはずです。
もしも『いつも私だけが不利』とか『どうせ自分は評価されない』と思っているならば、まずはこの事実を知り、今一度考えてみて下さい。
本当の自分
もうお分かりかと思いますが、先に上げた性質を踏まえた上で、自分を見つめ直してみると、まだまだ隠された可能性や、反省点が出て来ます。
すると『今まで考えていた自分とは違う自分がいる』ことに気付くのです。
霊に刻まれた記憶とは、上部だけで見て取れるような小さなものではなく、その存在に気付いた時から広がりを見せてくれる無限です。
これを言葉では『魅力』と呼び、人間の深さと豊かさを表す基準としているのです。